コンドウ歯科の詰め物は、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡治療)を使って行います。
より正確に、より自然に、より美しくて負担も軽減できます。
しかも、接着性の向上などで歯を削る量は最小限で済むため、麻酔も使わなくて済む事が多いです。
最近の接着性コンポジットレジン(CR、樹脂製の白い詰め物)はその審美性に加え、切削量を必要最小限にとどめて健全歯質を最大限に保存しうるという点で優れています。近年、CRは光重合型材料と呼ばれるものがほとんどで、LED照射により重合硬化させます。審美性(色調適合性、研磨性)に優れたフロアブルレジンが充実してきました。( フロアブルレジンは、粘稠性が低く設計されており、小窩裂溝部や歯頸部への充填操作性が向上しています。マトリックスと、ウェッジ(歯間部に挿入する楔状の器具、歯間分離の際に用いる)の挿入により隣接面への密着度を増して適合を良くします。 )
グレースフィルのバルクフローCR(ナノハイブリット一括充填用コンポジットレジン、株式会社ジーシー)は、窩洞底面を隙間なく充填できる流動性と咬頭形成を可能とする賦形性を併せ持ち、大型窩洞への一括充填が可能となりました。また重合収縮が小さく窩洞適合性が高いという特徴があります。
また、屈折率の異なる光拡散フィラー( 機械的強度の向上、耐磨耗性の向上、重合収縮の減少 )を配合することにより、光透過性・光拡散性のバランスを最適化し、より審美性の求められる症例にも対応できるものも登場しました。
▼症例 2
前歯の付け根の部分がむし歯になっていましたが、歯の清掃を徹底的に行って歯肉を整えてから、むし歯を治療して審美的にも綺麗になりました。材料は、ハイブリットのコンポジットレジン( 滑沢な面が持続し、低吸水で着色しにくい )です。
この材料は、ナノサイズの多角形フィラーを均一分散させてあり、強度と優れた耐摩耗性があります。
しかし過度の歯磨剤をつけて強く磨き続けると、さすがに摩耗してしまうので注意しましょう。
保険治療適応で1本1,000円程度かかります。(1回で完了)
■ エナメル・エッチングの必要性
セルフエッチングプライマー(エッチング+プライミング)が主流の現在、エナメル質へのリン酸エッチングは不要とする考え方もありますが、経時的変化で辺縁部に着色してくることを考えるとエナメル質の表面処理は接着に対してよい結果をもたらします。また、窩洞周囲の清掃を丁寧に行うことにより、接着強さを獲得できます。歯肉縁下に窩洞が及ぶ場合には、歯肉圧排をして浸出液のコントロールに努めることにより良好な結果が得られます。
グラディアダイレクトは、複数のシェード(全27色)により積層築盛するための光重合型審美修復用
コンポジットレジン(白い詰めもの)です。2500mwの高出力で1秒、3秒の照射が可能な
ハイパワー(照射時間の減少により負担が減ります)のLED光照射器で積層充填を行います。
積層充填は照射時に発生する熱の蓄積を軽減でき、異なるシェードを組み合わせて充填できるので色調・透明性に優れます。また、重合収縮を少なくできるため、ひずみが少ない精密な修復が可能です。
その中身はナノフィラー粒子で、それが凝縮して球状クラスターを形成しています。
ジルコニア、シリカなどを含有しているため、長期安定性、強度、重合収縮率に優れています。
天然歯の色合いは、光の反射率の高い象牙質と反射率が低く透明性のあるエナメル質、
ふたつの異なった性質が重なり合って作られています。
エイジングに合わせたエナメル質と象牙質のレイヤリングの組み合わせで
色調を合わせていきます。そうすることにより、天然歯のような自然観あふれる美しさの再現
を可能にしています。
ただし、コンポジットレジンは、セラミックや金属に比べて強度が劣るので大きな詰め物、咬み合わせの力がかかる部分への修復には向いていません。
・奥歯の白いつめ物は、質感、透明感に優れた「セラミックのインレー」と言う物で修復治療します。全体を覆うのではなく、部分的に詰めるものです。インレーは、マイクロスコープによる拡大視野下で、窩洞内の微細な凹凸、ガタつきなどを
修正して作成し、適合性の向上を図ります。
銀歯を白いセラミックのインレーに詰めなおしました。右写真の白い詰めものはe-max(イーマックス)というセラミックで、強度が高く、変色しない(経年的劣化が少ない)、一定の透明感があるために周囲の歯の色に溶け込みやすいという利点があります。
一方、歯ぎしりや食いしばりの強い人には不向きで、破折、摩耗、脱落のリスクが大きくなります。
審美的に優れているばかりではなく、金属アレルギーの心配もありません。
自費治療で1歯38,500円(小臼歯)〜49,500円(大臼歯)です。
歯についた付着物(ステイン)、バイオフィルムも、短時間で無理なく綺麗になります。
※ バイオフィルムは細菌の塊で、細菌が分泌するバリアに守られて強力に付着しているため、
歯ブラシではなかなか取り除くことができません(専用の機械でバイオフィルムを破壊する)。
プラークもバイオフィルムのひとつです。
つまり、バイオフィルムとプラークは同じものです。
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)というプロフェッショナル・クリーニングは、
歯科医院で専用の器具を用いて、すべての歯面から機械的にプラークを取り除くことです。
茶渋、食品の色素などのステインといった汚れ、タバコのヤニなどはPMTCで綺麗になります。
ホワイトニングの前処置としても、よく行われます。
但し、虫歯による着色や歯の亀裂に入り込んだ色素、歯の神経がダメージを受けて生じる歯の変色などは落とすことが出来ません。
自費治療で時間は60分程度かかり、費用は8,800円です。
■ ホワイトニグについて
ホワイトニングで使用される漂白剤には、オフィスホワイトニングの過酸化水素、ホームホワイトニングの過酸化尿素があります。また弱アルカリ性で漂白効果が高まります。これらの化学的に不安定な過酸化物からヒドロキシラジカル(活性酸素)が発生して、それがエナメル小柱間質内に存在する有機性着色物の長い分子鎖を化学的に破壊して小さな分子にすることで色を分解しているのです。この反応を促進させるために、光を当てる、温度を上げる、アルカリ性にする、金属触媒を添窩するなどでフリーラジカルを多く発生させています。