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歯並びや咬合機能を考慮した名古屋市天白区の矯正歯科

インプラントアンカー矯正治療

診療案内
Diagnosis and treatment guide

インプラント アンカー矯正とは

天白区のコンドウ歯科では、矯正用のインプラントを利用して矯正する事も出来ます。
インプラントアンカー TAD temporary anchorage devices矯正とは、ミニインプラント(歯科矯正用アンカースクリュー)という小さなネジを歯茎の骨の部分に埋入して、それをアンカー(固定源)として歯を動かす方法です。通常は歯槽骨あるいは顎骨に単体で植立され、粘膜組織外に露出したスクリュー頭部が矯正力適用の固定源となります。歯科矯正用アンカースクリューから他の矯正器具へゴムやワイヤーなどを引っかけて使用します。
矯正治療用のインプラントアンカー
左下のインプラントアンカーと 右上のワイヤーに取り付けたフックとは、パワーチェーというエラスティックでつながれ、矯正力を加えて牽引します。フックの長さにより、傾斜移動、歯体移動を使い分けます。
直径は1.3〜2.0mm、長さは6〜10mm程度のチタン合金製のスクリューです。
チタンは生体への害がなく骨との親和性も高い素材です。
今まで難しかった方向へ移動したり、動かしたくない歯はそのままにすることも可能になりました。
たとえば、出っ歯のケースでは、従来のように大がかりなヘッドギア(顎外固定装置)や顎間ゴムの着用をしなくても、前歯を移動させる事が出来ます。これにより負担が軽減できます。また、治療期間の短縮や非抜歯治療の可能性が向上します。

アンカー矯正のスクリューの種類と器機

コンパクトな形状のアンカースクリューで、セルフドリリング・セルフタッピングのスクリューです。
しっかりとした固定源となり、コントロールの効いた精度の高い矯正治療が期待できます。
アンカースクリューに加わる矯正力は、海綿骨ではなく主に皮質骨により負担されるので、皮質骨が薄いときには直径の大きいアンカースクリューを選択します。
基本的な形状のインプラントアンカー
JAタイプは、 最も多く使用される基本的な形状のスクリューで、ヘッド部が面取りされており、痛みを与えにくい形状です。パワーチェーンの使用に最適です。
インプラントアンカー矯正で用いる各種タイプ
インプラントアンカー矯正で用いる各種タイプです。JBは、パワーチェーンのほか、コイルスプリングも使用可能です。
G1は、ヘッド下皿がないため、斜めに植立する際やヘッドの高さ調節が必要な部位に最適です。
もう一つのタイプとして、ビス型よりやや大きめのプレート型(ミニプレートタイプ)があります。
電動式スクリュードライバー
インプラントアンカーを埋入する際用いる器機です。
トルク値と回転スピードが設定可能な電動式スクリュードライバーというものです。
6 〜 30Ncmの間で、0.5Ncm単位でトルク値が設定でき、精密なアンカーの埋入ができます。
適正トルク(5〜10Ncm)に設定する事により、スクリュ—の破折や皮質骨に対するダメージを軽減します。シャフトの先端の振れを防止でき、埋入部の皮質骨を必要以上に広げないため、スクリューの早期の脱落のリスクを軽減させます。

装置の埋入と除去

レントゲンなどの資料を整え、アンカースクリューの埋入部位、埋入方向の検討を行います。
少量の麻酔で、5分ほどで埋入(セルフタッピング)できる簡単な処置です。
矯正歯科治療が終わって必要なくなったら抜きます。除去もねじを緩めるだけで簡単です。
その際にも麻酔はなし、あるいは少量で済みます。
※ 矯正用アンカースクリューは純チタンを使わないチタン合金でできており、最終的に撤去することを想定していますので、骨と結合するような表面処理はしてありません。
※ 埋入に際しては、骨を丁寧に扱い骨に不要なストレスを与えないことが秘訣です。

植立部位

植立部位は、上顎第一大臼歯近心頬側歯槽部および口蓋側歯槽部は植立部位として適切であることが多い。
上顎前歯唇側歯槽部に植立する場合は側切歯歯根と犬歯歯根間のスペースが比較的大きく、植立しやすいことが多い。口蓋正中部では前方部には切歯管があり、後方は軟口蓋となるため、これらを避けて近遠心的に第二小臼歯部から第二大臼歯の範囲内に植立します。
下顎では第一大臼歯近遠心頬側歯槽部への植立が推奨されます。
上記部位において付着歯肉領域への植立が推奨されます。
 ※ 抜歯ケースで、上顎前歯を後退させる際、上顎第一大臼歯近心頬側歯槽部が植立部位として
   適切なことが多い。
通常上顎および下顎頬側歯槽部には、長径が 6mmから8mmのスクリューを使用されます。口蓋歯槽部など粘膜軟組織が厚い部位では実際に骨内に植立される長径が短くなるため、10mm以上のスクリューの使用が推奨されます。
この装置により治療単純化とメニューの幅が広がり、治療期間も少し短縮しました。

矯正用インプラントアンカーのメリット

  • 1. 強固な固定源となります。
    小臼歯の抜歯症例では、前歯を後方に牽引する際、奥歯を固定源として前歯を引っ張るとつられて奥歯も前に出ます。インプラントアンカーを利用することで前歯だけ後方に牽引する事が出来ます。
    従来はヘッドギアー(顎外固定装置)などの大型の装置で奥歯を後ろに押すように力を加えて、固定源を強化していました。
    特に、成人の矯正治療では成長による下顎の前方移動という生体の補償機構が望めないため、アングルII 級の咬合関係の是正には上顎臼歯部の遠心移動のための強固な固定源が必要です。
     ※ 加強固定とは、矯正移動する際、固定源を補強することを言います。
  • 2. 抜歯部位の選択に幅ができる。
    歯周組織へのダメージを最小限に押さえて効果的な歯および歯列の移動が可能となり、抜歯部位の選択に関しても歯の永続性の良い方の第一小臼歯を残して第二小臼歯の抜歯が可能となりました。
  • 3. 治療期間が短縮されます。
    歯をまとめて引っ張ったり、動きにロスがないため、治療期間が短縮されます。
    例えば、抜歯ケースでは、通常、犬歯を動かしてから前歯4本をまとめて動かすような二段階の移動を行います。これを、犬歯〜犬歯の6本をまとめて後退させるなどが可能となります。
  • 4. 大臼歯、前歯の圧下も可能です。
    通常歯を圧下(下に押し下げる)するには、かなりのパワーがいるため、アンカーになる歯には不要で思わぬ移動も出てしまいます。そのような動きを防止して圧下できます。
    例えば、前歯部を挺出することなく、臼歯部の圧下により開咬が改善されます。
  • 5. 非抜歯矯正治療の可能性が高まります。
    奥歯を後ろに動かすことは、ほとんど不可能に近い移動様式と考えられていました。しかし、矯正用アンカースクリューを用いることで奥歯を後ろに動かすことができるようになったため、従来は小臼歯抜歯が必要な症例でも、効率的な臼歯の後方移動により非抜歯矯正治療の可能性が高まります。
  • 6. 外科矯正治療の回避
    これまで、外科的矯正治療を適応していた骨格性の上顎前突、下顎前突、開咬などへ適応することで、外科的矯正治療を回避することが可能となってきました。

デメリット

  • 1. 埋入するのにわずかな麻酔と出血があります。外科処置が苦手な方にはつらい治療です。
  • 2. 歯牙が隣接して密着する部位には埋入できません。
  • 3. 小児には適応できません。
    アゴの骨が未完成で疎なので、すぐに脱落します。
  • 4. アンカースクリューが動揺・破折・脱落することがあります。

適応症

  • 1. 前歯を最大限に奥へ引っ込めたい。
    抜歯スペースを奥歯の前方移動なしで閉鎖する。絶対不動の固定源となり、アンカレッジロスを
    無くすことができます。従来はヘッドギアなどで固定源を強化して奥歯を奥へ押していましたが、
    この方法だと移動ロスが生じやすくなっていました。
  • 2. 奥歯全体を更に奥へ動かしたい。(臼歯部遠心移動)
    全歯列の遠心移動が必要な反対咬合や上顎前突症。小臼歯非抜歯の可能性が出てきます。
  • 3. 大臼歯、前歯を歯肉方向へ垂直的に押し込みたい。(圧下)
    上下顎前歯の圧下による過蓋咬合の改善、臼歯部の圧下による開咬の改善に有効です。
    固定源としてアンカースクリューが最も有用である不正咬合の一つとして挙げられるのが、
    過蓋咬合や開咬などの垂直的な問題を認める不正咬合です。
  • 4. 外科矯正の回避
    今まで外科的矯正治療を適応していた骨格性の上顎前突、下顎前突、開咬などへ適応することで、 外科的矯正治療を回避できることもあります。
  • 5. 歯周病、顎関節症を伴う咬合異常