ご予約・ご相談は
052-801-8148
〒468-0023 名古屋市天白区御前場町2番地
名古屋市天白区の訪問歯科

口腔機能向上

診療案内
Diagnosis and treatment guide

口腔機能向上とは

生活機能の維持・向上を 通じて要介護状態に陥らないようにします。また、口腔機能が低下している状態を早期発見し、予防することにより、自分らしい生活の確立を支援します。
  • お口の清掃(器質的口腔ケア)とは、ばい菌の塊であるバイオフィルムを破壊して、その中から出てきたばい菌を口の外へ除去することです。ばい菌を誤嚥する(誤って飲み込む)と誤嚥性肺炎の原因になることがあります。その予防に努める事が大事です。
  • 機能訓練(機能的口腔ケア)は、まず、咀嚼が上手くいくようにします。 咀嚼は、これは「どのくらいの大きさで食べ「どのくらいの力で噛み」「どの程度噛んでから飲み込むか」といった調整が出来ることが大事です。
その上で、舌、頬、口唇など弱った筋力を鍛えます。もし、麻痺等で、改善できなければ、安全に飲み込める食事形態を考えます。
  • 期待する効果
  • 1.食べる楽しみを向上(味覚機能向上、舌機能向上、唾液分泌促進)させる。生活の質向上。
  • 2.低栄養・脱水の予防をする。
  • 3.誤嚥・窒息の防止をする。
  • 4.運動の機能向上を期待する。
  • 5.社会への参加を期待する。

口腔清掃(器質的口腔ケア)

自分で歯みがき清掃を行うホームケアと、歯科医師・歯科衛生士に行ってもらうプロフェッショナルケアがあります。

ホームケア時の注意点

作業療法の観点から、まず、できる限り自分で歯磨きを行う。ただし、無理な方は、プロフェッショナルケアをしてもらう。
自分でブラシングを行っていても清掃不十分な場合も、プロフェッショナルケアで充分きれいにしてもらう。
注意点は、
  • 麻痺等により腕の挙上が不十分で下顎舌側(下の歯の裏側)や臼歯部(奥歯)に磨き残しができやすい。
  • 歯ブラシのコントロールが不良で隣接面(歯と歯の間)に磨き残しができやすい。
  • 介護専用ブラシがあるのでご相談ください。
  • 歩行困難な方は、洗面台まで行けないので介護者がベッドサイドに清掃の準備をする。
  • 麻痺重度、認知症が進んだ方は、介護者に頼る割合が増す。
  • ヨード過敏症を防ぐため、薬に頼りすぎず、緑茶(ポリフェノール・カテキン)などで含嗽する。

プロフェッショナルケア時の注意点

  • 健側が下になるように口腔清掃・歯磨きをしてもらう。誤嚥を防ぐためです。
  • 歯ブラシの水はよく切り、のどに垂れないように行ってもらっても、口の動きによりだ液が出てくるのでお顔のわきには、タオルを用意しておく。
  • むせが出たら、呼吸が整うまで小休止をする。
  • 奥舌部の舌苔の清掃は、誤嚥性肺炎と関わりが深い。特に念入りに清掃をしてもらってください。
  • 誤嚥性肺炎とは、嚥下障害などにより、口腔内の細菌が気道に入り込むことでおきる肺炎です。誤嚥性肺炎を発症すると熱、咳、痰の三兆候のみでなく、元気がなくなります。
  • 舌の抵抗運動と訓練 下唇より舌を前に出し200g程度の抵抗を与えて反発運動をする。舌の突出・後退、左右運動、回転運動などをする。

機能訓練(機能的口腔ケア)

ちょっと専門的になりますが、間接訓練(食事なしの訓練)と直接訓練(食事の訓練)があります。

間接訓練

準備・口腔期
  • 1.口腔周囲筋・舌筋の可動域訓練・筋力増強訓練・協調性訓練
  • 2.頸部の可動域訓練
  • 3.構音訓練
咽頭期
  • 1.Thermal Stimulation   感冷刺激 サーマル スティミュレーション
    喉頭を冷たく凍ったガーゼ等で刺激する事により、嚥下反射促進をします。
  • 2.Pushing Exercises    声門閉鎖訓練 プッシング エクササイズ
    エイ エイ」と声を出して、壁などを押すことにより声門閉鎖訓練をします。
  • 3.Supraglottic Swallow  嚥下パターン訓練 スープラロティック スワロウ(直訳 : 声門上嚥下)嚥下のシュミレーション訓練です。
    息こらえ嚥下のことす。息を吸い込み→ごっくん→ハーと息を吐く という 誤嚥を予防するために、嚥下パターン訓練をします。
食道期
  • 1.Mendelsohn Maneuver メンデルゾーン マヌーバー
    メンデルゾーン手技は喉頭挙上保持(嚥下時にのど仏が上にあがった状態で保持)します。
    喉頭を冷たく凍ったガーゼ等で刺激する事により、嚥下反射促進をします。
  • 2.Balloon拡張法
    バルーンで押し広げて拡張する方法です。
  • 3.Shaker Exercises
    シャキア エクササイズ
    食道を意識して腹筋訓練のように頚部を動かす訓練です。
先行期
  • 1. 摂食・介助の切迫的摂食:小さいスプーンで一口量を調整する。
  • 2.感情失禁を出来るだけ起こさせない。強制笑い防止の環境を作る。
  • 3.注意力障害者:離れた場所で食事する。
  • 4.左側半側空間失認:配膳に注意する。

直接訓練

段階的な摂食訓練を行います。
  • 1.体位の効果
        頸部:屈曲Chin down・患側回旋
        体幹:後傾・健側側傾
  • 2.代償的嚥下パターン
         Supraglottic Swallow
        多数回嚥下法 嚥下後咳嗽法
        頸部軽度前屈・頭部患側回旋での嚥下
  • 3.食物形態効果
        水溶液—半固形
        粘度 塑性 破砕性 均一性
  • 4.自助具の使用
        らくらくゴックン スプーン

呼吸訓練

呼吸訓練は、腹式呼吸法、胸部可動域訓練、体位排痰法などを行います。