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名古屋のマイクロスコープ専門歯科

顕微鏡を使って歯周病を治療

診療案内
Diagnosis and treatment guide

顕微鏡を使って歯周病を治療

歯周病は歯の周りに細菌が感染して歯周ポケットという溝を作り、歯周組織を侵していきます。ポケットの奥深くにまで及ぶ細菌の塊が作るバイオフィルムは、正確な操作により掻き出す必要があります。

マイクロスコープを使えば、歯周病の原因になるプラーク汚染部分、歯肉の細菌感染部分を見落とさず除去しやすくなります。
ポケット深部に歯肉を傷つけないように器具を挿入して、切開を加えずに直接、歯周治療を行うことが出来ます。
根面溝や根の局面、歯石の付着具合などをよく観察してポケット内をきれいにしていきます。
深部までよく見えるので、歯周外科的処置を行うのに匹敵するほどの治療操作が可能ともいわれます。
マイクロスコープを使用することで歯周病治療の精度が上がり、 非抜歯の可能性が高まります。
顕微鏡を使って歯周病を治療

歯肉縁下の歯石、プラーク除去

歯周病の初発原因であるプラークや歯石を取り除く際、汚染部をよく見て確実に落とす事が大切です。
通常の肉眼での治療は、ボケッ内を手探りで引っかかる部分を歯石と判断してスケーリングをします。 (オーバースケーリングして歯根部を削り取ることもある。また、スケーラーにより根面を傷つける場合もある。その部位にはさらにプラークや歯石が付着しやすくなってしまうのです。)
マイクロスコープを使うときは、ポケット内の歯石やプラーク、歯根の凹凸を確認して、汚染部だけを除去します。歯根部では、溝、分岐部などがあり、その歯により独特の形態を持つこともあります。超音波は水しぶきが飛び視界を遮るため、ハンドのグレーシーキュレットを使って歯石などを除去します。シャープニング(研磨面をマイクロスコープで確認)がしっかりされたグレーシーキュレットを使うことが必須です。
出血をできるだけ抑えた状態で、確実なスケーリングルートプレーニングを行います。
余分にセメント質を傷つけたり削り過ぎると治癒が悪くなるばかりかその部に汚れが溜まる原因にもなります。マイクロスコープを使って正確に悪い部分だけ取り除きます。
歯肉縁下にまで歯石が付着
歯石は歯肉縁下にまで達して付着する。マイクロスコープで目視しながら確実に、組織を傷つけないように歯石を取り除いていきます。
エアーを吹きかけることによってポケットが広がり、内部の歯石、根面の形態が把握でき、歯面や歯肉を傷つけることが少なくなります。歯肉へのダメージが少なければ治癒が良く、出血を抑えることで視野の確保と確実な施術が可能です。
また、スケーラーが歯面に当たる位置、角度をチェックしながら、ターゲットとなる歯石を捉え、除去できます。その後、仕上げとして根面の滑沢化を行います。
さらに歯の間の歯肉(隣接面歯肉)の状態の把握をはっきりと見極めるのに役立ちます。
  • ※ 歯肉縁下歯石
    歯肉縁下歯石は、歯周病の原因である歯垢(プラーク)が石灰化(歯肉溝浸出液が関与)したもので、滲出液中のヘモグロビンによって黒くみえます。為害性が強い縁下プラークが付着しています。歯肉を刺激し、歯肉の腫れや退縮を招くことになります。縁下歯石は歯根に頑固に付着するため、除去の難易度が高くなります。
顕微鏡下で観察して、確実にデブライドメントを行っていきます。デブライドメントとは、歯周病の原因となる歯肉縁下のプラーク、歯石、汚染歯根面、不良肉芽組織を除去することです。
不良肉芽とは、病的な歯肉で、丸く球状になった肉芽はその中に細菌の塊が入っていると言われます。
しかも、再生してくれるのに役立つであろう健全なセメント質の面を残すことが大切です。
健全なセメント質を残すようなデブライ ドメントを行えば、硬組織が再生する可能性が高いと言われています。
マイクロスコープでポケット内部を観察しながら慎重に治療していきます。通常は観察が難しく手探りになりがちな歯周ポケット内部の情報をできるだけ得た上での治療をお勧めします。

歯周の診査に応用

プローブで歯周ポケットを測る際、歯肉からの透け具合で、その厚みを推測できます。
透けて見えるような歯肉の厚みの薄い場合、歯肉退縮が予想されるので注意が必要です。前歯部では審美的なダメージになってしまいます。そのような場合には、マイクロスコープを用いて歯肉移植をするケースもあります。さらにポケット内部の炎症状態、出血の状態なども観察します。

早期接触や咬頭干渉などの微妙な咬合調整時にも使用します。

根分岐部の歯肉の診査をする際、エナメル突起の根部への移行度もチェックします。
エナメル突起が伸びているほど、根分岐部病変のリスクが増します。
通常、探針の手指の感覚でしか予想することしかできません。
そのような診査は、マイクロスコープで歯周ポケット内部を探索します。
必要なら歯周外科にてエナメル突起の処理をします。

歯周外科、歯周再生治療に応用

マイクロスコープを使うと、低侵襲で精度の高い歯周外科治療が可能となります。
歯周外科においては、精密でシャープな切開、きれいな部分層弁や全部層弁の形成、不良肉芽の徹底した掻爬、歯周形成外科などの精度の高い縫合などに使います。

特に、歯肉弁の切開・縫合においては、マイクロスコープを使うことにより低侵襲で行うことが出来、体にやさしく治癒も早くなります。

歯周再生治療では、フラップ手術(歯肉剥離掻爬手術)の際、再生治療剤の正確な挿入、骨補填剤やメンブレンの的確な施術においてマイクロスコープは大きな役割を果たします。さらに、病変部の除去(不良肉芽、壊死セメント質の除去など)には優れた施術を可能にしています。リグロスなどの歯周組織再生剤の骨欠損部への正確な注入は、治療成果の向上につながります。

歯周外科においては、根面の歯石の除去とルートプレーニング、ポケット底部の骨面の不良肉芽の除去を正確にこなすことが出来ます。肉眼で見て十分に清掃できているようでも、マイクロスコープで拡大して根面を観察すると歯石が付着していることが多々見られます。組織の修復はきれいな骨面から起こってくるので、この操作が重要になります。