笑んだときにできる、「上の前歯の先端を結んだライン」の事を、スマイルラインと言います。
このラインが下唇の内側の乾いた部分と濡れた部分の境界線に沿っていると美しく見えます。
上の前歯は歯茎スレスレ〜1mm程度露出している状態です。
ラインの形状は、下唇は耳に向かって両側に上がったアーチ型になります。
一般的に、緩やかな円弧状を示すと女性的、水平で直線状だと男性的なイメージが強くなります。
理想的なスマイルラインは重要な審美要素の一つです。
素敵な笑顔のペースになる基準ラインです。
自然で美しいスマイルラインを目指します。
大笑いの笑顔でも調和がとれているのが理想です。
もし、歯列不正のあるケースや高齢になるにしたがって前歯が咬耗(磨耗)してくると
前歯のラインは、理想的な凸型形態を呈しなくなってしまいます。
治療として、歯列矯正(ワイヤー矯正、マウスピース矯正)や審美歯科治療(セラミックなどによる治療)あるいは、口元のトレーニングによって鍛えます。
お口の筋機能療法は口腔筋機能療法 MFT(ORAL MYOFUNCTIONAL THERAPY) と呼ばれています。
※ ハリウッド スマイルは、前歯切縁の凹凸がなく流れるような曲線を描き、インパクトのある表情を作ります。「イ」の口よりも大きく口角を引き上げて、上唇が真横一直線になるように歯を見せる笑い方で、上の歯の奥の方まで見えます。下の歯は見えません。口唇の形は半円形です。
※ インサイザルエッジポジション(前歯の先端の位置)は、鼻下点から25mm±4mm、フェイシャルプレーン(N-Pog)と上顎前歯唇面のなす角度が7度等の要素を満たすときれいなスマイルラインが得られます。
※ 口角は、年齢を重ねるごとに、筋肉が衰えて段々下に向かうと言われていますが、表情の豊かな人ほど筋肉の衰えが遅くなる傾向があります。
スマイルラインは、歯肉が全く見えないロースマイルライン、歯冠乳頭が見えるアベレージスマイルライン、歯冠全てと歯肉も露出するハイスマイルラインに分類されます。
(1)ロースマイル(低位微笑):上顎歯冠の75%未満しか見えない。
(2)アベレージスマイル(平均的微笑):上顎前歯が75〜100%見え、歯間歯肉が一部見える。
(3)ハイスマイル(高位微笑):上顎前歯が100%露出し、歯肉が過剰に見える。
談笑時に3mm以上の歯肉が露出する場合は、ガミースマイルと呼ばれています。
これらは性別・年齢・人種などにより一定の傾向があり、例えば男性にはロースマイル、女性にはハイスマイルが多くみられます。従って、修復の際につねにアベレージスマイルを目標とすることがかならずしも最善とはかぎりません。
Tjan(1984)によると、ロー・スマイルラインの割合は 20.5%、アベレージ・スマイルラインは 65.0%、ハイ・スマイルラインは 10.5% の割合で存在していたとの報告があります。
笑顔が素敵な口元になるには、表情の練習もあります。お口の周りの筋肉(口輪筋、頬筋など)を鍛えることで、口角を持ち上げ、魅力的なスマイルを手に入れます。
魅力的なスマイルラインのトレーニング方法
口角と頬筋を上に持ち上げるようにして、「イー」と声に出します。
10秒程度キープします。
鏡などで口角の上がり方をチェックすると良いでしょう。
トレーニングはこの他に、物を飲み込むときの舌の位置の訓練、咀嚼・嚥下・発音訓練、舌挙上の訓練、咬む筋肉を鍛える訓練などがあります。
・口腔筋機能療法MFT (Oral Myo Fanctional Therapy)
舌、口唇、頬筋・咀嚼筋などの顔面の筋肉など、口のまわりの筋肉を強化してバランスを改善し、歯列に及ぶ筋圧のバランスを整えて正しく機能させる方法です。不正咬合や矯正治療の後戻りなどの原因ともなる舌癖、口呼吸を取り除くための訓練法です。矯正歯科の分野では、装置をつけなくても筋機能療法のみで悪い歯並びがある程度改善することもあり、治療を成功させるために筋機能療法の併用が必要な場合も多く見られます。
例えば、口輪筋の緩みは歯列を抑え込む事ができず、歯列の前方への移動を促してしまいます。その予防ためには口輪筋のトレーニングを行います。
このMFTで顔の筋肉を鍛えることにより、フェイスラインをスッキリ引き締める効果もあります。