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名古屋市天白区の訪問歯科

摂食・嚥下

診療案内
Diagnosis and treatment guide

摂食嚥下機能とは

摂食・嚥下機能とは、食物を認識して口に取り込み咀嚼し、喉(のど)を通って胃に収まる一連の機能です。
摂食=食べ物をとって噛む、嚥下=飲み込む、ことです。つまり、食べるための一連の動作の事です。

口で噛み合わせる動きが、腸の蠕動運動へとつながり、正常な消化の動きを起こします。
  • 摂食・嚥下のステージ(各時期) ■
  • 1.食べ物の認知(先行期)
  • 2.口への取り込み(準備期)
  • 3.咀嚼と食塊 形成(口腔期)
  • 4.咽頭・食道の送り込み((咽頭期)
  • 5.食道通過(食道期) の5期に分けられます。

摂食・嚥下障害の原因疾病

原因疾患は、約40%が脳卒中であると言われています。
脳卒中、脳出血、パーキンソン病、アルツハイマー病などが原因します。加齢による筋力の低下も影響してきます。
また、抗精神病薬、精神安定剤、抗けいれん剤等の薬剤も影響します。
その他、心身症、うつ病、認知症などの精神的なもの、口内炎、扁桃炎、口腔内腫瘍などの器質的なものに起因することもあります。

機能訓練は?

お口で咀嚼する(食物を取り込み、噛んで喉に送る)部分を中心に、その方の機能状況に応じて訓練を行います。
安全に食べられる食形態(お口の中でまとめやすい、あんかけ、ゼリー状等)や飲み物の形態とろみ等)、摂取方法についても考慮します。
どの段階で機能障害を起こしているかによって、機能訓練の方法を考えます。

舌接触補助床 PAP (Palatal Lift Prosthesis)

舌接触補助床 PAP は、口蓋の義歯床を厚くする(盛り上げる)ことにより、脳梗塞や神経疾患による麻痺、舌切除などで舌が十分に挙上しないのを補います(飲み込み易くする)。
さらに構音障害の回復(しゃべり易くする)を図るのにも用います。

機能訓練の方法

食事時の姿勢を正しくして、食事に集中すれば、誤嚥や窒息のリスクを少なくできます。
  • 1.呼吸機能向上訓練
    ブローイング(ストローでぶくぶく)、仰臥位(仰向け)での腹式呼吸など
    吹き戻し(巻き笛)等のおもちゃを使っても訓練できます。
    この訓練で呼吸機能、発声機能、鼻咽腔閉鎖機能、構音機能の改善などが期待できます。
  • 2.構音訓練、発声訓練
    「パ・タ・カ・ラ」を発音、「アー」を5〜15秒を目安に一息で発声する。
    脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)による麻痺、交通事故などによる頭部外傷、ガンの手術による後遺症などの場合に行う訓練です。
    「パ」は、口唇の閉鎖をします。(口輪筋の訓練)
    「タ」は、食物の取り込み、舌尖音(歯茎音)、舌を口蓋の前に押し付ける訓練です。(舌尖の訓練)
    「カ」は、舌を後ろへ動かし、鼻咽腔閉鎖をします。(奥舌の訓練)
    「ラ」は、舌を巻く動きで、食物の送り込みの訓練になります。
    鼻咽腔閉鎖が悪い場合には、「パ」→「マ」、「タ」→「ナ」などと聞こえてきます。
    「パ・ン・ダ・ノ・タ・カ・ラ・モ・ノ」「パパパ、タタタ、カカカ」などの発声練習をします。
  • 3.声帯強化訓練 プッシングエクササイズ(エイーと壁などを押しながら発生する)
    声帯の動きを良くして、気道への入口を閉じることによって誤嚥を防ぐ、窒息を予防、咳・痰を喀出するための訓練です。
  • 4.摂食・嚥下訓練 口元や舌の運動、喉の奥のアイスマッサージ、嚥下パターン訓練など
    嚥下パターン訓練は、吸気し(息を吸う)、呼吸を止め、唾液あるいは空気を飲み込み(ゴックン)、 その後空気をはき出して(ハー)、さらに咳をする訓練です。
     間接訓練として、嚥下体操、頸部可動域訓練、開口訓練、口唇・舌・頬の訓練、口唇閉鎖等の訓練をします。
     嚥下障害は脱水や低栄養を招き、さらに食べるという基本的欲求を喪失することに繋がります。 生活や生命の危機を招かない様に、機能訓練で少しでも改善の方向に進みましょう。
    • ※アイスマッサージは、凍った綿棒に少量の水をつけて、軟口蓋や舌根部を軽く2〜3回刺激した後、すぐに空嚥下をします。お口の中に感覚刺激を入れることにより、嚥下反射を誘発します。 唾液の分泌を促進し、お食事前の準備運動にもなります。
  • 5.口元の体操
    表情を豊かにするパタカラ体操 口輪筋、口唇、舌を鍛えます。
    口唇閉鎖できると、嚥下や構音機能障害の改善にも役立ちます。