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名古屋で歯周病治療

歯周組織再生剤(リグロス)

診療案内
Diagnosis and treatment guide

最新の歯周組織再生剤 リグロスの特徴

塩基性線維芽細胞増殖因子( FGF 2: basic Fibroblast Growth Factor )(商品名 リグロス)を歯周外科処置時に投与することにより歯周組織再生誘導できます。
リグロス歯科用液キット
「科研製薬株式会社 提供」
  • 1. リグロスは、歯周組織再生医薬品です。
    歯周組織欠損部の未分化間葉系細胞、歯根膜由来細胞に対して増殖促進作用を示すとともに血管新生を促進します。血管新生は、投与部位における栄養供給を確立する上で必要不可欠です。
  • 2. 遺伝子組み換えのヒトbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)製剤です。
  • 3. エムドゲイン(エナメルマトリックスデリバティブEMD)対象比較試験の新生歯槽骨の増加量において、EMDに対するリグロスの優位性が認められました。
  • 4. 歯槽骨、セメント質、歯根膜の再生を促進して、強固な結合組織性付着を形成させます。
  • 5. 溶融型のキット剤で、使用時には適度な粘度があります。
  • 6. 副作用は0.7%で、適応部位の歯肉白色化、歯肉紅斑、歯肉腫脹、頭痛、尿中アルブミン陽性などです。
  • FGF-2投与により歯周組織幹細胞の増殖・遊走が促進、血管新生が誘導され、早期に歯周組織が再構築される局所環境が整うことで歯周組織再生が促進されます。

適応症、禁忌症

歯周組織再生療法は、徹底した歯周基本治療により、炎症と力のコントロールがなされてから行います。
歯周組織再生剤リグロスの塗布
■ 適応症
歯周病(辺縁性歯周組織炎)の患者さまの中で
歯周ポケットの深さが4mm以上、骨欠損の深さが3mm以上の垂直性骨欠損がある場合です。
※ 垂直性骨欠損の生じている部位は、コンタクトや咬合性外傷の問題が潜んでいるので、咬合調整、ナイトガードなどでも対応します。
全体に骨が下がっている(水平性骨欠損)場合は適応外です。骨縁下欠損の形態は、3壁性が有利で、1〜2壁性の場合には血餅の安定が困難なために骨補填剤併用が必要になります。なお、インプラント治療に関する有効性、安全性は確立されていません。
■ 禁忌症
口腔内に悪性腫瘍があったり、既往がある場合。(本剤が細胞増殖促進作用を有するため) 本剤の成分に対し過敏症の既往がある場合。
■ 手術に不適応な状態
幅の広い1壁性骨欠損で再生のための足場がない
外傷性咬合の問題が解決されていない
抗凝固薬の服用などで止血が悪い
喫煙者

作用機序

本剤は歯周組織の未分化間葉系細胞、歯根膜細胞、血管内皮細胞等に対して、細胞増殖及び細胞遊走の促進作用等を示します。
これらの作用により血管新生を伴って増殖した未分化間葉系細胞及び歯根膜細胞は骨芽細胞等へ分化し、 歯槽骨及び結合組織性付着を再構築することで、歯周組織が再生されます。

薬剤塗布時の注意事項

・ 骨欠損基底部を起点にリグロスを塗布する。歯根面処理を行う必要はない。
・ 歯周組織欠損部から薬剤を溢れさせないようにする。

使用手順

フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)という歯周外科手術の術式に準じて行います。
歯周組織再生剤塗布手順a
  • 1. 手術部位に局所麻酔をします。
  • 2. 歯肉を切開します。
  • 3. 粘膜骨膜弁を形成します。
歯周組織再生剤塗布手順b
  • 4. スケーリング及びルートプレーニングをします。
    歯槽骨の骨内欠損部に付着した肉芽組織を除去し、 歯根面に付いた歯垢や歯石を十分に除去します。
    根面を滑沢化します。
  • 5. 生理食塩水で洗浄し、「リグロス」を塗布します。
    欠損底部を起点にして、歯槽骨欠損部を満たす量を塗布します。
    1歯に対しては600µg製剤(0.2mL)、2歯以上に対しては1200µg製剤(0.4mL)の該当する症例が多く見られますが、1歯でも比較的骨欠損が大きい場合には1200µg製剤でないと不足します。
    その際、歯根面を唾液、血液で汚染させないように注意します。
  • 6. 歯肉弁を復位し縫合します。
    歯周包帯(非ユージノール系歯周パック)を使用する場合もあります。
    原則的には再生療法後の歯周パックは使用しません。フラップを過度に圧迫し、再生スペースを潰してしまう恐れがあるためです。
    1〜2週間後に抜糸をします。
    その後、歯茎の治り具合を見ながらブラシをソフトから普通に戻して歯磨きをします。