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名古屋でインプラント

インプラント

診療案内
Diagnosis and treatment guide

人工歯根による治療とは

人工歯根による治療とは
インプラント治療とは、歯の抜けたところにインプラント(人工歯根)を埋め込み、人工の歯をその上に取り付ける治療方法です。

埋め込まれたインプラントは、骨と結合してしっかりと固定されます。
その上に取り付ける人工の歯も、一人ひとりに合わせて一本ずつ作るので、
噛みごこちも外観も天然の歯とほとんど変わりません。

利点としては、咬み合わせの力を分散させて、残存しているご自分の歯への
負担を軽減することです。また、ブリッジのように隣の歯を削ったりしない方法です。
当院では、現在、世界で最も信頼性の高いスエーデン・アストラテック社のインプラントを使用させていただいております。

このインプラントはスエーデン・イエテボリ大学を始めとする世界の数多くの大学で採用され、その安全性はアメリカ・ADA ヨーロッパ・EUにおいても高く評価され、長期にわたる基礎研究・臨床研究をへて開発されたインプラントです。

メリット

インプラントのメリットは、よく噛め、見た目がキレイ、違和感がなく、周りの歯を傷めない、よく話せるなどです。
デメリットは、保険適用外、手術が必要である、治療期間が長い、治療制限(コントロールされていない糖尿病、高血圧などは適応外)がある、などです。
  • しっかり噛める
  • 見た目が自然で美しい
  • 自身や積極性が回復
  • 自分の歯の保護
  • お手入れが簡単
従来の歯科補綴治療では得られない高い機能と審美回復により生活の質QOLを向上する事、および自分自身の歯に負担をかけない事がインプラント治療の特徴です。

種類 (インプラントの利用方法)

  • 一本の歯が欠けている場合
    治療前
    治療前
    治療後
    治療後
    インプラントにクラウン(冠)をかぶせる事により、咀嚼機能と自然な審美性を回復します。
  • 数本の歯が欠けている場合
    治療前
    治療前
    治療後
    治療後
    数本のインプラントで支えられるブリッジやクラウン(上部構造)により、天然歯(自分の歯)に近い機能を取り戻し、顔立ちが回復します。
  • すべての歯が欠けている場合
    無歯顎(歯が1本もない)のインプラント補綴では、固定性ブリッジ、可撤性ブリッジ、
    オーバーデンチャーなどの方法があります。
    治療前
    治療前
    治療後
    治療後
    ■ ボーンアンカードブリッジ ■
    5本あるいはそれ以上のインプラントにより、固定式のフルブリッジを作成する方法です。
    本数はこれより多いほうが成績は良好で、長期経過時の不具合に対応がしやすくなります。
    お口の中すべてが、インプラントを利用した被せものになります。(入れ歯は使いません。)
    治療前
    治療前
    治療後
    治療後
    ■ インプラントオーバーデンチャー ■
    インプラント用の義歯を2本あるいはそれ以上のインプラントとアタッチメント(ロケーターと呼ばれるボタンのような形状の接続装置で義歯の接着をよくします)により接続します。オーバーデンチャーと呼ばれる方法です。
    上顎では前後的に広く多角的に4本以上配置、下顎では犬歯あるいは側切歯間に2本以上配置すると安定します。今までの義歯だけの場合と比べて、安定してよく咬めるようになります。
    インプラントを利用したマグネット式アタッチメント義歯
    インプラントを利用してマグネット(矢印の金色部)で義歯を接着します。義歯が外れにくくなります。
    義歯を併用すれば、インプラント埋入の本数も少ないため、白い上部構造(かぶせ物)だけで治すよりも費用が安くなり、体への負担が軽く(骨組織や軟組織のマネジメントも少なくて済む)、優しくて済みます。
    ■ 他の治療法との比較 ■
    歯を失った時の他の治療方法には、ブリッジや入れ歯がありますが、それらの欠点を補う方法としてインプラントは優れています。ただ、手術が必要となり費用が高額となります。

インプラントの目的

インプラント治療を希望して来院しますが、目的はインプラント治療を受けることではなく、歯のある(固定性補綴の実現)生活を取り戻すことにより、日常生活の健康を支えている食事を楽しく、豊かにする事です。さら質の高い機能と審美的な回復により、笑顔を取り戻し、前向きなライフスタイルを送る事です。
そして残っている歯の保護(義歯と比べ確実に咬合支持を作れます)にもなるので、予防的な要素も持ち合わせます。
つまり失った歯を取り戻すこと(機能、審美性の回復)により、残っている歯の保護と安定が図られ、口元とお口全体とバランスを回復します。(QOLの向上)

治療の流れ

初診 → 診査 → 手術 → かぶせ物 → メインテナンス までの流れが載せてあります。
上部補綴物装着の流れ
上部補綴物の流れ
■ 2次手術から上部補綴物(かぶせ物)までの流れ(1か月程度必要です) ■
1. インプランが入りました。(骨と結合して2次手術後、歯周組織も安定したところです。)
2. 「ジグ」というアバットメント(インプラント体にはめ込む土台で、この上に上部構造を接合します)の装着装置です。(オッセオスピードEVインプラントにはOne-positon-onlyという接合様式があるため、ジグは不要)
3. アバットメントを装着しました。(トルクレンチで締め固定します。)
4. 上部補綴物(白い人工歯)が入りました。その後メインテナンスをしていきます。

必要な骨の確保

インプラント埋入OsseoSpeedEV4.2S
インプラント治療は顎(あご)の骨に穴を開け、インプラントを埋入します。
インプラントを埋入するための骨が十分に存在しないと、しっかりと顎骨に固定する事が出来ません。

赤矢印はインプラント体(フィクスチャー)で、青矢印は埋入に使うドライバーです。
十分な骨あれば、この埋入操作だけで済みます。
日常の診療で、インプラント治療を希望して来院される方の中には、顎骨量が減少している場合が多く、そのままではインプラント治療を適応できない事もあります。長期間安定した治療を行うには、インプラント体周囲に良質で豊富な骨が存在することが不可欠です。

そのような場合には、様々な種類の骨増大術を応用して吸収した顎骨を増大させる(骨造成、骨増生)必要があります。
カバースクリュー装着
インプラントを埋めてカバースクリューを装着(手指の軽い力(5 〜 10Ncm)で締め付けます)しました。
わずかな骨造成(骨増生)ならこの場面で行います。
しかし、もっと骨が必要な場合には、骨造成をしてから数か月後にインプラントを埋めます。(ステージドアプローチ)

天然歯とインプラントの違い(生物学的幅径)

2017年のAAP/EFPのワークショップにおいて、「biologic width ( 生物学的幅径 ) 」の考え方が見直され、「supracrestal tissue attachment (骨縁上組織付着 ) 」と改められました。
天然歯では約1 mm 幅の上皮性付着と約1 mm 幅の結合組織性付着が認められ、約2 mm の生物学的幅径が存在します。細菌などの異物が体内に侵入のを防ぐために必要な幅です。
インプラントにも天然歯と同じような生物学的幅径が存在すると考えられています。
生物学的幅径と歯根膜の有無
インプラント周囲では約1.2 mm 幅の接合上皮と、歯槽骨頂上に約 1.5 mm 幅の結合組織が存在するため、約2.7 mm の生物学的幅径が存在すると考えられています。しかし、その結合組織は縦方向に走行するためインプラントでは接着が弱いと言われています。そのため、外来因子が組織内に移行しやすく、天然歯と比べて感染に対する抵抗力が弱くなります。
インプラント周囲粘膜はコラーゲン含有量が多く、線維芽細胞が少ないため、瘢痕組織様形態を呈しています。
天然歯ではコラーゲン線維の走行が歯根に垂直でセメント質に埋入しているものや平行なものが混在しています。
また、インプラントは骨と歯肉のみの血液循環しか得られない(歯根膜からの血液供給がない)ため感染に対して不利になります。(矢印部)
※ インプラント周囲粘膜の安定性は、歯肉の厚みが関与し、biotype(phenotype) と称されます。
thin biotype、high scallop はインプラント周囲粘膜退縮の危険性が高くなります。
■ 咬合に関して
インプラントは、骨と直接結合(オッセオインテグレーション)し、歯根膜がないことから、天然歯と比較して、わずかな咬合力であっても早期接触となりやすいのです。そのため、インプラントに過剰な咬合力が加わらないような調整と配慮が必要です。
単独インプラント上部構造へのガイドは、側方力や回転力が生じやすいため、他のインプラント体と連結する場合があります。
また、上部構造装着後の咬合調整が不適切であると、インプラント体や対合する歯に影響が見られます。 咬頭干渉や偏心位で応力が集中し過ぎると、長期の経過中に対合歯が摩耗したり、骨吸収が起こり、動揺が著しくなります。

インプラントをするなら、禁煙をお勧め

■ インプラントをしたい方は、禁煙をしましょう。■
喫煙はインプラント手術後の治癒と生着および予後に対するリスクファクターです。
喫煙により、歯茎の毛細血管が収縮し血行が悪くなるので、創傷治癒が遅れたり、インプラントと骨の結合を阻害したりします。喫煙者は粘膜に慢性炎症が存在し、粘膜創の治癒不全が起こりやすくなります。骨造成術、歯肉移植などを行っても手術創の閉鎖を妨げます。
歯周病をきちんと治療してからインプラント治療を行った場合、初期固定が得られない原因のほとんどが喫煙です。また、長期予後を悪化させる可能性も高くなります。
喫煙を継続すると歯周病が悪化するだけでなく、インプラント周囲炎やインプラント周囲骨の吸収を惹起する可能性も高くなります。
ヘビースモーカーの方がインプラントをしても非喫煙者と比較するとダメになる確率は高いのが現状です。インプラント治療に先立って禁煙をしましょう。
加熱式タバコは、タバコ会社によるとパッケージに有害物質は少ないと記していますが、健康被害が少ないとは記していません。紙タバコと同様に問題があります。

禁忌症、薬剤、年齢

■ インプラント禁忌症 ■
禁忌症とは、全身的、局所的状態からインプラント治療を行ってはならない症例で、絶対的禁忌症と相対的禁忌症があります。
相対的禁忌症は状態が改善されれば適応症として扱うことが可能なもので、コントロールされていない糖尿病や高血圧症などです。
絶対的禁忌症は病状の改善が望めない疾患を有する場合で、重症心臓病、先天性血液凝固因子欠乏症、白血病、腎透析者、末期の悪性腫瘍などです。局所状態では開口量の著しい不足やインプラント埋入予定部位におけるがんが疑われる軟組織所見の存在などは、即時にインプラント治療を断念すべきです。
・糖尿病のコントロールについて
インプラント体埋入手術に対する糖尿病のコントロールは、HbA1cが6.9%以下(NGSP値)、空腹時血糖140mg/dL以下、ケトン体(−)程度になされていれば、手術を行うには問題は少ないとされています。ただし、易感染性、軟組織・骨組織の創傷治癒不全については注意を要します。
コントロール不良でインスリン欠乏、高血糖状態は骨芽細胞の機能や数を低下させ、オッセオインテグレーション獲得を阻害する可能性があります。
■ 薬剤について ■
抗凝固薬ワルファリンカリウム(ワーファリン) および、抗血小板薬アスピリン(バイアスピリン、バファリン)、チクロピジン(バナルジン)などは異常出血のリスクがあります。抗血栓療法を受けている方は、多数のインプラント体の埋入は避けるようにします。ステロイド服用の場合には易感染、骨形成抑制や骨吸収のリスクがあります。

骨粗鬆症の治療に使われるビスフォスフォネート系薬剤、高血圧の治療薬、糖尿病治療薬、ステロイド薬、向精神薬などにも、十分な注意が必要です。
■ 伝達麻酔について ■
インプラント手術時の伝達麻酔の応用は、確実な麻酔効果が期待できる一方、神経損傷の危険性や知覚鈍麻の延長などの理由からその実施について否定的な意見もあります。
■ 年齢について ■
高齢者は代謝が低下して治癒力も若年者に比べ低く、有病者も多くなるので、インプラント 治療でのリスクが高まります。しかし、高齢者では健康状態、認知機能、気力などに個人差が大きいため、単純に年齢だけで適応の可否を判断できるものではありません。インプラント自体に問題がなくても、年齢を重ねるうちに全身状態が損なわれて要介護状態になる事もあります。そのような場合には、口腔ケアが難しくなるといった問題も生じます。インプラント治療が最善か否かについて検討し、十分なカウンセリングを受けることをお勧めします。
一方、成長期の若年者は顎骨も成長するのでインプラント治療は適用できません。インプラント体埋入後に顎骨が成長すると、天然歯とインプラント上部構造の間にずれを生じる為ですが、20 歳前後で成長が停止すれば適用できます。ただし、成長停止時期には個人差があるので、慎重に適用を検討します。

インプラント治療の際のリスクファクター

■ 手術に対するリスクファクター ■
手術中に合併症発生を招く危険性がある疾患や、あるいは手術操作が困難なものです。 高血圧、心疾患、糖尿病、肝硬変、腎不全、喘息、慢性閉塞性肺疾患、血液疾患、出血性素因や、不良な骨質、骨量不足、角化粘膜不足、喫煙などです。
■ オッセオインテグレーションの獲得と維持に対するリスクファクター ■
手術創の治癒不全を招き、最終的にはインプラント体周囲の骨治癒に異常が起こるため、 インプラント体のオッセオインテグレーションが獲得されなかったり、あるいは不完全な獲得 に終わってしまう危険性があります。また、メインテナンス中、早期にオッセオインテグレーションが 破壊されてインプラント体が脱落するリスクがあります。 糖尿病、肝硬変、腎不全、骨粗鬆症、膠原病、精神疾患、ビスフォスフォネート系薬剤・ステロイド薬・免疫抑制剤などの服用、 埋入部位への放射線治療、不良な口腔衛生状態、パラファンクション、口腔乾燥、喫煙、クラウン−インプラント長比率、角化粘膜の不足などです。
■ 咬合状態によるリスク ■
開口量 (上下顎間距離) が不足、クリアランス7mm以下、顎位不安定、パラファンクション(歯ぎしり、食いしばりなど)があるなどが問題となります。
■ 上部構造製作と維持に対するリスクファクター ■
インプラント体の埋入は可能でも、咬合、歯列の異常により上部構造が製作できない危険性を示すものと、 インプラント補綴を行う部位の軟組織が十分に確保できないことで、審美的な問題が発生する危険性を示すものがあります。 精神疾患、顎領域の運動麻痺・痙攣、 バーティカルストップの欠如、アンテリアガイダンスの欠如、垂直的顎間距離の不足、バイオタイプがthin type の粘膜、 高い審美性の要求、パラファンクション、高いリップライン、顎関節症などです。なによりも口腔清掃をしっかり行い、定期健診をすることをお勧めします。
■ インプラント周囲炎 ■
インプラント周囲炎はオッセオインテグレーションが達成された機能下のインプラントにおいて、 細菌感染や過重負担などの結果生じたインプラント周囲の骨破壊を伴う炎症性病変です。チタンは生体適合性がよく、特にリンやカルシウムに対する高い吸着能を有するが、その反面で口腔常在菌が付着しやすく、インプラント周囲炎を引き起こしやすい性質を持っています。 臨床所見は、インプラント周囲粘膜の発赤、腫脹、プロービング時の出血や排膿、 プロービングデプスの増加、周囲組織の退縮、動揺などがあげられます。 前処置としての歯周病治療がされていない、プラークコントロールが不十分などが原因で生じます。
「炎症の存在下ではオーバーロードによってプラーク誘導性の骨吸収を生じる」という報告があります。Naert I, Duyck J, Vandamme K.2012
インプラント周囲組織に生じる炎症性病変は、インプラント周囲粘膜炎(peri-implantmucositis)インプラント周囲炎(peri-implantitis)があります。その主な原因は、細菌性プラークであり歯周病の部位から検出される細菌叢に類似していることが報告されています。

成功の秘訣は確かな検査から

コンドウ歯科では、CT撮影の後、SimPlantというインプラント埋入シミレーションソフトを用います。
インプラントを仮想空間で埋入することにより、埋入方向・深さ、あごの骨の状態、神経・血管や上顎洞との位置関係、周囲組織との関係などを正確にチェックできます。様々な角度から十分な検査を行うことが成功の秘訣となります。
サージガイドを使ったインプラント治療
コンピュータで計画(左図)を立てた通りに「サージガイド(中央図)」を使ってインプラント手術を行い、計画通りに埋入(右図)できました。埋入後カバースクリュー(インプラント2回法に用いる一次的な装着具)を装着しました。
このシミュレーションにより、さらに安全・安心にインプラント埋入手術を受けることが出来ます。