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名古屋でインプラント

インプラントの構造

診療案内
Diagnosis and treatment guide

3つのパーツからなります

インプラントは、大きく3つのパーツからできています。
歯根形状のフィクスチャー
1. フィクスチャー(人工歯根部)
2. アバットメント(支台部)
3. 上部構造(人工歯)


人工歯根の形状は「歯根型」で、天然の歯根に相当する部分はネジの形をしています。

フィクスチャーをアゴに埋め込んでこれらのパーツを連結させます。こうして組み立てられたインプラントは、質の高い口腔機能を回復する有力な手段となります。

1.フィクスチャー(人工歯根部)

インプラントの構造
インプラント本体のことでアゴの骨の中に埋める人工歯根部(インプラント体)の事です。
歯を支える根っこの部分は、ネジ状構造をしており、チタン製になります。
チタンは生体親和性が高く、オッセオインテグレーションという骨と結合する性質を持っています。
 ※ オッセオインテグレーション osseointegration とは、ラテン語の os (骨)と英語の integration
 (統合)を組み合わせた造語で、結合組織を介在することなくチタンと骨が直接結合することを
 指します。1952年にスウェーデンのブローネマルク博士が偶然に発見しました。
 オッセオインテグレーションは「光学顕微鏡レベルで骨とインプラント体表面が軟組織を介在せずに
 接触維持する様相」とされています。
 この概念は「骨とインプラントが直接結合する」とされてきましたが、
 電子顕微鏡観察では、インプラントのチタン表面の酸化膜に厚さ100Å(オングストローム)前後の
 プロテオグリカンの層を介して骨組織が接触している状態を示します。
 インプラントは埋入後に初期固定が低下していき、徐々に新生骨に置き換わり3〜4週後に安定度が
 増してきます。
 獲得が不良なものは、インプラント体との間に結合組織や未熟骨が出現します。
チタンがインプラント体として頻用されているのは生体適合性が良く、靱性 ( 壊れにくさの指標 ) が大きいので長期耐久性に優れているためです。靱性とは壊れにくさの指標です。
■ インプラントに臨床応用されている生体材料は、純チタン、チタン合金、ハイドロキシアパタイト、ジルコニアなどがあります。
■ ジルコニア インプラント
チタンの金属色を嫌い、セラミックスとしては群を抜く機械的特性のあるジルコニアインプラントがヨーロッパを中心に製品化され(日本では薬事未承認のために使用は難しい)、臨床応用も進んでいます。ジルコニアはチタンに比べて破壊靱性値で劣るが、金属にみられるアレルギーなどの生体為害作用はほとんど報告されていません。インプラント治療のメタルフリー化の旗頭として注目を集めています。
■ インプラントの表面処理
インプラント体では、はじめに接触する体液や血液の成分、タンパク質とのぬれが重要と考えられ、ポリマーを含めた化学的表面処理法への取り組みも積極的に行われています。
■ インプラント体の支持機構(光学顕微鏡レベル)
・チタン:骨とインプラント体表面が軟組織を介在せずに接触維持するオッセオインテグレーションです。チタンは生体適合性がよく、特にリンやカルシウムに対する高い吸着能を有ますが、その反面で口腔常在菌が付着しやすく、インプラント周囲炎を引き起こしやすくなります。
・ハイドロキシアパタイト:骨と結晶レベルで結合するバイオインテグレーションです。
生体活性材料のセラミックス (ハイドロキシアパタイト、β-リン酸三カルシウム(β-TCP))は、化学的骨結合をしますが、長期耐久性においては強度不足です。
・インプラントは支持機構により、骨内インプラント、骨膜下インプラント、歯内骨内インプラント、粘膜内インプラントに分けられます。このうち、現在、臨床で用いられているほとんどのものが骨内インプラントです。

最近では、チタンの金属色を嫌い、ジルコニアの群を抜く機械的特性に着目して、ヨーロッパを中心にジルコニアインプラントが製品化されて臨床応用も進んでいます。ジルコニアはチタンに比べて破壊靱性値で劣りますが、金属にみられるアレルギーなどの生体為害作用はほとんど報告されておらず、インプラント治療のメタルフリー化の旗頭として注目を集めています。
フィクスチャーには、様々な形態(ストレート、コニカル、ショート、ナロー、ワイドなど)、長さや太さがあり、歯を失った多くのケースに対応できます。

当院使用のインプラント (アストラテックインプラントEV) は、すべて純チタン(グレード4)製です。

2.アバットメント(支台部)

被せ物の歯を付ける「土台」のことです。歯根とかぶせ物の間の連結部品です。通常はフィクスチャーと同じくチタンでできていますが、セラミック製のものもあります。アバットメントはスクリューでフィクスチャー(インプラント体)に固定されます。
アバットメント(支台部)
ネジ止めで固定された部分は、レジンで穴埋めされます。

実は、インプラントを埋めてすぐにアバットメントを装着するというわけではなく、
インプラント埋入したらカバースクリュー→ヒールデザインを経てアバットメント装着
フィクスチャーが入った後、カバースクリューが装着されます。
一定の期間が経ちインプラントと骨が結合(オッセオインテグレーション)したら、ヒールデザインという歯肉を整える部品に取り換え、次に上記のようなアバットメント装着という流れがあります。
※ 即時荷重法の場合には、インプラント手術当日に仮の歯まで装着します。
■ アバットメントの種類
1. セメント固定式アバットメント(タイデザインEV、キャストデザインEV、テンポラリーアバットメントEV)
2. スクリュー固定式アバットメント(ユニアバットメントEV、アングルドアバットメントEV )
3. アタッチメント固定式(ロケーターアバットメントEV、ボールアバットメントEV )
 オーバーデンチャー治療(インプラントに特殊な接続器具を付けその上に入れ歯をはめ込む方法)
 に用います。
その他、オーダーで作成する「アトランティス CAD/CAM アバットメント」があります。インプラント—アバットメント接合部の様式は、固定が1 か所のみの One-positon-only 式です。
アトランティス アバットメントは、セメント固定式、スクリュー固定式、フリクション固定式の補綴物に対応しています。
■ アングルド アバットメント(角度付きのアバットメント)
相互に傾斜したインプラント同士をスクリュー固定で連結するには、アングル度アバットメント(角度付きのアバットメント、角度許容アバットメント)があります。傾斜埋入した場合などにも応用できます。

3.上部構造 上部補綴物(人工歯部)

人工の歯で被せ物(冠=クラウン)のことです。いわゆる「歯」に相当する部分です。
人工歯の素材はオールセラミック、ハイブリットセラミック、金属(チタン,チタン合金,金合金,Co-Cr 合金など)などいくつかあり、審美性や機能性によって選択することが可能です。

製作方法においては、CAD/CAM 技術の進歩や製造工程の規格化などにより、
適合精度が向上し、より安定した品質で上部構造を製作することが可能となりました。
上部構造(人工歯部)
上部構造は、セメント固定、スクリュー固定、アタッチメント固定などの種類があります。
上写真は、アバットメントにセメント固定方式(天然歯と同様に直接セメントにて合着または仮着する方式)で装着されています。

インプラントにボールアバットメントやバーというアタッチメントを接続するオーバーデンチャー義歯という方法もあります。これは、入れ歯をアゴの骨に固定する治療法です。

※ カンチレバー:延長ブリッジのことで、ポンティックの1 側にのみ支台が存在するブリッジの構造です。

4.インプラントの表面処理法

早期骨形成を目指して多くの処理法の検討が盛んに行われ、実用化されています。インプラント体でははじめに接触する体液や血液の成分、タンパク質とのぬれが重要と考えられ、ポリマーを含めた化学的表面処理法への取り組みも積極的に行われています。

パーツ取り付けの手順

インプラントの構造は、上記の3つから成り立っています。

手順は、1) 歯槽骨にフィクスチャー(人工歯根)を埋め込む外科手術をします。
    2) フィクスチャーと骨が結合したら、そこにアバットメントを取り付けます。
    3) そのアバットメントに上部構造を装着することで完成します。

入れ歯と連結する場合は、3. 上部構造が人工の歯ではなく、マグネット(磁石)、バー(棒状維持装置)、ボタン(ホック式維持装置)などになります。「インプラントオーバーデンチャー」と呼び、義歯を安定させる役割を果たします。

前歯部など審美性を重視するところには金属を用いないジルコニアの使用(アバットメント)をお勧めしております。

カバースクリュー:2回法手術で行う際のフィクスチャーにかぶせる「仮のふた」です。
         アゴの骨にインプラントが定着する期間に、インプラント体の中に歯茎や骨などが
         入り込むのを防ぎます。
ヒーリングアバットメント:埋め込んだインプラントに上部構造が出来るまで一時的に使うものです。
ドルダーバー:インプラントと有床義歯を併用した時に使う棒状の維持装置です。
プロビジョナルレストレーション:治療用の仮歯のことで、インプラントの形態や咬み合わせ、歯茎や粘膜との関係などを調整して最終的な人工歯作成の参考にします。