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名古屋で精密根管治療する歯科

難治性の根管治療

診療案内
Diagnosis and treatment guide

根管治療の進歩と課題

近年の根管治療の飛躍は目覚しく、予知性の高い治療行為として評価されるようになってきました。
それは治療器具や機器、薬剤や材料の開発と改良に負うところが大きいと思われます。
歯科用CTにより診査診断が向上し、ニッケルチタンファイル、ロータリーエンジンにより根管形成のステップが効率化しました。マイクロインスツルメント、超音波チップにより汚染や異物除去、根管内の微小な切削、根管治療の操作などが容易になりました。
マイクロスコープを使った拡大視野では、より精密な根管治療を達成できます。
ロータリーエンジンで根管形成
回転数、トルク、回転方向などをコントロールして根管形成をするロータリーエンジンです。レシプロ回転(反復回転運動)を搭載した「X-スマート プラス」というエンドモーターです。
Ni-Ti 合金は材質の軟らかさなどからNi-Ti 手用ファイルでは切削効率が低いため、低速回転マイクロモーターで連続回転させることで切削効率を向上させた ロータリーエンジンが主流となっています。
コードレスタイプで様々な根管形成の動きや根管長測定に対応する機種もあります。
その結果,難治性の歯髄・根尖周囲組織疾患の原因ともなっている根管口の探索、根管内外の破折器具の除去、歯根破折や穿孔(パーフォレイション)などの診断と処置が飛躍的進歩しました。

しかしながら、著しく湾曲や狭窄した根管、破折歯、穿孔歯などのように,治療技術の困難性が明瞭といえる難症例があります。
また、根管治療の経過不良となる原因は根管に残留した病原因子ばかりでなく、歯周組織の炎症、咬合など他の因子が影響している場合もあります。

根管治療が難治性となる原因

いつまでたっても治らないケースでは、以下のことが考えられます。
難治性とは、通常の根管治療を行っても自発痛、咬合通、腫脹等の症状の消退が得られない、或は自覚症状はないが根尖病変の消失が得にくいような症例です。
根管治療の成功率を下げる原因には、歯根破折、穿孔、側枝、根尖孔外バイオフィルム等があります。
1. 歯が割れている(特に根尖部や側面)。穿孔(穴があく、パーフォレーション)している。
繰り返して歯茎が腫れるものの中には、歯根にひびや破折がみられるケースがある。例えば、歯冠部がほとんどなく縁下まで虫歯となっている場合、太い土台を入れざるを得ない場合などの中には、歯根が毎日の咬合に耐えられず、ひびが入っているのが見かけられます。ひびからの細菌感染により炎症が起きて歯茎が腫れると、難治性となることが多くなります。
また、穿孔部の封鎖には、MTAセメントが優れているとの報告があります。歯科用覆罩材料としてペースト状のMTAが認可されています。有機質溶解作用のある水酸化カルシウムの貼付も穿孔部の肉芽組織の退縮や止血に効果的です。
手順は、穿孔部の感染歯質を切削除去し、NaClO などで洗浄し、止血を図り穿孔部をMTAで緊密に封鎖します。止血剤などの吸収性材料をマトリックス材として歯周組織に溢出させた後、MTAを用いて穿孔部封鎖をすると効果的です。
2. 歯根、根管の形が非常に複雑だったりする可能性がある。残髄(神経が残っている)が原因のこともある。
髄床底部の副根管、髄管、側枝の存在は、歯髄腔から汚染物質が根分岐部に達して根分岐部病変を引き起こすことがあります。著しく湾曲や狭窄した根管など、治療技術の困難性が明瞭といえる難症例があります。根管が広がり凹みとなっていることも多く、まっすぐな器具で根管壁を形成しても凹んだ部分には器具が触れず、軟組織や感染源が残存しやすいケースがあります。歯種によっても根管治療の難易度が変わり、一般には前歯や小臼歯より第一大臼歯は難しく、第二大臼歯はさらに治療が難しくなります。
複雑な走行をする根管
ヒトの根管は複雑化しており、イスムスやフィン、分岐、さらに側枝の枝分かれなどの形態を有してしており、根尖の閉塞や急激な湾曲により根尖までファイルで穿通できないことも多く見られます。また、根管の実際の形態がエックス線写真上の形態よりも複雑なこともあります。根管形成器具が触れられない部分は根管洗浄に頼ることになります。根管を三次的に理解して対応していく必要があります。
  • 根尖付近の難治性根管
    J字やY字、或いはS字、人字などの根尖付近の湾曲や分岐は、根管のトランスポーテーション(根管の直線化によりオリジナル根管を逸脱したもの)や器具破折に関係するため、始めに根管に挿入する
    細いファイル(パイロットファイル)やエックス線写真上でよく確認しておきます。
    デンタル エックス線写真を正放線と偏心投影の 2方向から撮影すると、
    歯根の湾曲、根管の数、ポストと根管との位置関係などについても詳しく診査できます。
    もし、パイロットファイルが近心頬側根の根尖まで穿通しないような場合には、
    遠心方向だけでなく舌側方向にもプレカーブを付与すると穿通できることがあります。
  • 細菌が残存しやすい根管形態
    歯内療法において原因菌とされる細菌の大きさは約1〜3μ(0.001〜 0.003mm)です。もし、
    0.6mmのトランスポーテーション等による空洞が存在すれば、感染が持続す可能性があります。
    下顎大臼歯の近心根は、根尖付近まではしご状にイスムスが存在したり、
    頬側根管と舌側根管の中間に3根管目が存在することもあります。
    扁平な根には狭窄して細く伸びるフィンが認められることも多くあります。
    再根管治療の場合には、イスムスやフィンに入り込んだガッタパーチャが取り除けず、
    その部の洗浄が十分にできないことも考えられます。
    感染源を完全に除去することは困難であるため、最終的には根管充填により根管内に
    感染源を封じ込めて、新たな感染が生じないように努めていきます。
  • 複雑な根管の形態
    根管にはイスムスやフィン、側枝、象牙細管など、根管充填前の拡大・形成による清掃が困難で、根管充填材も入っていきにくい部位が存在します。
    我々が使用する根管形成器具の多くは先細りで円形ですが、根管は先細りでも円形でもなく様々な形態をしています。扁平だったり、イスムスやフィンの存在がありファイリングだけでは対応できません。根管の実際の形態がエックス線写真上の形態よりしばしば複雑であることは周知の通りです。
    ※ 側枝の存在の割合は、上顎では第一大臼歯の口蓋根 52.5% と一番多く、2番目が上顎の犬歯の45.7%であった。(Caliskan ら1995)
  • 彎曲根管の根管拡大
    湾曲した根管にステンレス・スチール製ファイルを挿入して拡大形成をおこなうと、根尖付近でレッジやジップといった、根管充填時に緊密な根管封鎖を阻害する、不適切な根管形態が付与されやすくなります。
また、歯軸の傾斜も治療の難易度に関係します。
下顎大臼歯の舌側傾斜では頬側根管へのアクセスが難しくなり、上顎第二大臼歯の歯軸が遠心に傾斜することにより近心頬側根管へのアクセスが難しくなります。
3. 通常治療では排除できない細菌感染(バイオフィルム)がある。
近年、感染菌種の中でもいわゆる嫌気性菌の存在が、難治性の根端性歯周組織炎の原因菌として注目されています。
Enterococcus. faecalis (グラム陽性通性嫌気性球菌)は、高アルカリ環境(貼薬に使用する水酸化カルシウム)でも生存可能なバイオフィルムを形成します。消化管の常在菌、あるいは院内感染の原因菌の一種として知られています。経過不良例(根尖性歯周炎を伴う根管充填歯や再治療症例など)から比較的高頻度(24~77%)に培養されています。象牙細管深くにまで侵入し薬効や切削効果が認められないため、難治性の根管治療の原因菌と考えられています。
根管治療が成功しない理由は、根管内への細菌の持ち込み、根管内細菌の取り残し、根尖孔外の細菌性バイオフィルムの存在などです。そのため無菌的な処置を心がけることが大切です。
  • Sjögren らによれば、根管治療の成功率は再根管治療になるほど低下し、術前に根尖病変が認められるほど低下していくと報告されています。根尖孔外に細菌感染が広がるほど、根管内からの除去は難しくなります。
  • 過剰な根管充填は、根管充填剤の化学的刺激や細菌性刺激の影響、長期にわたる異物反応の持続などで歯内療法の成功率を低下させます。Noiriら、ならびにNoguchiらは
    Fusobacterium nucleatum、Prevotella intermediaなどの細菌が根尖孔外の歯周組織にもバイオフィルムを形成し、定着、感染していることを明らかにしました。
  • Candida albicans などの真菌が経過不良例の根管から検出されたとする多くの報告もあります。
  • 病態が急性期にあり根管を経由した膿の排出が期待できる場合には、根管開放が行われることがあります。しかし、それ以外では、根管内に難治化の原因となる細菌を招き入れる恐れがあるので、根管開放は行わない方が良いでしょう。
  • 治療中に溢出した綿花やペーパーポイントに含まれるセルロースは極めて吸収されづらいことから、長期に及ぶ異物反応を惹起することが報告されています。
  • 術前のエックス線写真で本来の根管が維持されている症例は成功率も89.8% と高いが、レッジやトランスポーテーションなどにより本来の根管をすでに逸脱している症例では47% にまで成功率が下がってしまいます。Gorni FG, Gagliani MM. 2004
4. 根管ではなく、歯周病や咬合などが原因して周囲の組織に異常がある。
根尖病変と歯周ポケットが繋がっていると清潔が保たれないので予後不良になるケースが多くなる。
根管治療で内部をきれいにしても、歯周ポケットを通じて根管に感染が及んでしまうのです。
  • 歯内—歯周病変 (エンド・ペリオ病変) とは、歯周ポケットと根尖病変が交通している疾病の事です。
そのような場合は、抜歯になったり根の先を切る手術(歯根端切除術)が必要になる場合もあります。
根管治療後に何年か経ってから悪くなるケースでは、根尖部のマイクロクラック(小さなひびは♯40以上拡大の場合が多い)が、毎日の噛み合わせにより広がり、そこに感染してしまうケースがあります。歯の根の治療は、時間をかけて丁寧に行っていかなければその後に、せっかく被せた美しい高価な被せ物が台無しになってしまいます。

再根管治療は難しい

一般的に、抜髄症例や歯髄壊死症例のような初期治療(初回根管治療(生活・失活))の方が治療は容易であり、再根管治療の方が治療の難易度は上昇します。細菌が根管内にあまりいない状態、またはいたとしても除去しやすい環境から治療を開始できる初期根管治療の方が、再根管治療よりも成功率が高いのは、多くの論文が示しています。
根尖部のエックス線透過像の直径が5mm 以上の大きな場合や、根管が従来の形態から逸脱している(レッジ、ジップ)場合には再根管治療の成績が低下します。
再根管治療の成功率は、根尖病変の有無(無:98%、有:62%)、根管の解剖学的形態の維持(無:48%、有:86%)に大きく影響されるという報告があります。
再発した根管に行う「再発根管治療」の成功率はさらに下がります。
Gorni 2004 らは,再根管治療の症例で根管の移動や穿孔、内部吸収などがみられる根管形態変化群は、根管形態が維持されている群と比較して有意に成功率が低下したと報告しています。
出来れば最初の治療だけで完了して、再根管治療は回避したいものです。

根管の解剖的な複雑性、根管内外で形成される細菌バイオフィルムへの対応の難しさ、歯髄組織を失った歯質の変化、根尖病変の存在などは、再根管治療の成否に深くかかわります。
剛性が強い器具で湾曲部を形成するとすぐに根管の直線化(トランスポーテーション)が生じているのが現実です。
  • 研究による報告では、ステンレススチール製ファイルを用いた場合の根尖付近における
    トランスポーテーション(オリジナル根管を逸脱して直線化したもの)による人工根管は、45度の湾曲根管の場合0.6mm程度とされています。
また、修復物や支台築造を取り除かなければいけないケースでは、歯質の陒弱化が心配されます。歯根象牙質量の減少、歯質の変化などにより、再治療法の選択や治療内容が制限されます。
歯質が少なくなり歯肉縁下まで虫歯が進んでいたり、髄床底の壁がなくなりパーフォレーション(穿孔)しているケースでは治療がさらに難しくなります。歯根象牙質の亀裂や破折が観察されることもあります。
そのような歯を再根管治療した場合、歯質量の減少(残存象牙質量、厚み等)は、その後の補綴修復治療、機能維持に影響を与えます。
再根管治療では、本来の根管形態が失われ(オリジナル根管から逸脱したレッジ、ステップなど)、根管内外にさまざまな人為的要因が付加されている状況であることも治療を難しくする一つの要因です。
根管形成で度重なるファイリングによる根尖部への機械的刺激、強い殺菌力を備えた根管貼薬剤による刺激は周囲組織への炎症を悪化させ治療をさらに難しくしています。
  • レッジとは、彎曲根管で本来の根管とは異なる外側の方向に削れた段差のことです。
  • 術前のエックス線写真で本来の根管が維持されている症例は成功率が89.8% と高いが、レッジやトランスポーテーションなどにより本来の根管をすでに逸脱している症例では47% にまで成功率が下がってしまう(J Endod 2004)。根尖部のエックス線透過像の直径が5mm 以上の大きな場合も成功率が低くなります。
マイクロスコープを用いた歯内療法
マイクロスコープは単に視野を拡大するだけでなく、視軸と光軸がほぼ一致しているため、根管のような細く奥行きのある物の表面を観察するのに適しています。特に再根管治療のような複雑な治療にはマイクロスコープが活躍します。

根管治療が困難な症例とは

  • 1.複数回にわたる根管治療がされている
    3回以上に渡るような何回もの治療されて、元々の根管の形態が失われている。
  • Gorni FGMら( 2004 ) は、再根管治療で、根管の移動や穿孔、内部吸収などがみられる根管形態変化群は、根管形態が維持されている群と比較して有意に成功率が低下したと報告しています。
  • 2.根管の一部に穴が開いている
    まずはパーフォレーションリペア(穿孔部の修復)を試みますが、パーフォレーション(穿孔)により感染が取れないような症例、大きく空きすぎて修復が不可能な症例、修復できてもすぐにまた壊れてしまうような症例は困難と言えます。
  • 穿孔部の閉鎖はMTAセメントなどで行われ、セメント質がMTAの上に直接再生されることが組織学的に報告されています。
  • 3.根管に亀裂が入る
    残存歯質が薄かったり、強い咬合力が加わったりして亀裂が入り、そこに感染が起こっている。
    垂直性歯根破折は、根尖性歯周炎と類似した臨床症状を呈することが多い。
    限局的な深い歯周ポケットの存在、歯頸部寄りの瘻孔、歯根に沿った骨欠損のレントゲン像なども
    疑いが持たれます。
  • 4.根が湾曲、複雑な走行をしている
    器具が到達困難な根管形態をしているものです。
    また、歯軸の傾斜(舌側傾斜、遠心傾斜など)も治療の難易度に関係します。
     ex) 上顎第二大臼歯で歯軸が遠心に傾斜していると、近心頬側根管へのアクセスが難しくなります。
     ex) 下顎大臼歯の舌側傾斜により頬側根管へのアクセスが難しくなります。
  • 5.痛みが取れない
    痛みがどうしても取れないような複合要因を抱えている場合などです。

急性の炎症症状への対応

根管内への排膿がある場合には、減圧と急性症状の緩和を目的として1〜2週間、根管を開放(根管からの排膿を促す)して経過を観察します。しかし、病態が急性期にあり根管を経由した膿の排出が期待できる状態以外での根管開放は、逆に根管内に難治化の原因となる細菌を招き入れる恐れがあるので行うべきではありません。
  • Association of Endodontists(AAE)のガイドラインによると、
    持続的な排膿があれば、根管を翌日まで開放してもよい。排膿により、貯まった刺激物質や
    炎症性物質を減少することが期待できるからである。しかし、長期間排膿のために
    根管開放を続けると、さらに多くの感染を招き、有益ではなくなる。
歯肉に膿瘍、腫脹がみられる場合には、切開、排膿、掻爬を行い歯周組織の破壊を最小限に留めます。
噛み合わせたときに当たり方が強い場合には、咬合調整をします。
症状の緩和を目的として抗菌薬や鎮痛剤の投薬を行います。

神経がある歯で痛みがある場合、歯髄を保存することは重要ですが,不可逆性歯髄炎に罹患している場合には速やかに麻酔抜髄法を行う必要があります。もし処置が遅れると、根尖にまで炎症がおよぶ可能性もあります。

狭窄根管への対処法

●根管と根管を結ぶ溝が観察できれば、その溝を超音波チップで追求し、根管を見つけます。
●根管口と思われる部位をダイヤモンドインスツルメントで軽く削去した後に、手用HファイルにEDTA製剤を塗布して同部に挿入し、ペッキングモーションの動作で根管を探ります。

予後の見通し

生活歯髄症例、失活歯髄でも根尖病変が存在しない症例では成功率が高くなります。
しかし、根尖性歯周炎以外にも問題があり治療困難な症例、歯質の崩壊が大きくラバーダム防湿不可能な症例、垂直性歯根破折の症例では、治療が困難となり抜歯に至る場合もあります。

垂直的歯根破折

疑われる所見は、前治療からの早期再発、歯頚部寄りの瘻孔、瘻孔から挿入したガッタパーチャが根尖ではなく根中央部で止まる、限局的な深い歯周ポケットが存在する、エックス線診査で歯根に沿った骨欠損がみらる、エックス線診査で垂直性の歯槽骨吸収が認められるなどです。
エックス線診査で破折線の存在あるいは歯根の分離、拡大視野下の破折線確認などで垂直的歯根破折を確定します。
確定されれば、抜歯適応となる可能性が強くなります。
垂直性歯根破折を発見できないまま再根管治療を進めてしまうことは、時間の浪費となってしまいます。

歯根破折の原因となるもの

  • 1.太くて長いコア、硬過ぎる金属は、歯根に負担をかけます。
    咬み合わす力が歯根にくさびを打ち込んだような状態になり、薄くて弱い壁に破折となって現れます。再根管治療が必要になった場合、コア除去や根管治療がうまくいっても歯根が破折してしまい抜歯せざるを得ない事もあります。
  • 2.歯質の残存量減少(根面のみでフェルールがない)
    フェルールとは、歯の頭側の見える部分に残っている歯質の事で、この歯質が多く残ってれば、咬み合わせの力に抵抗力が出来るとされます。逆に残っていなければ、破折のリスクが増します。
    再根管治療の施術に伴う歯質量の減少、根管薬剤による化学的な歯質の脆弱化は、その後の修復処置や長期的機能維持に影響を与えます。
  • 3.歯ぎしりや食いしばりによる過剰な咬合力、緊密な咬合
    通常の咬み合わせのよりはるかに大きい想定外の強い力がかかり、問題を起こします。
    歯冠部の磨耗が進むと、咬合の力の負担が歯根に益々かかってきます。
    スポーツ時の激しい衝撃や咬みしめ(マウスガードやマウスピースで対応)、硬い食べ物などにも注意が必要です。
  • 4.
    外傷などです。
    事故、転倒、衝突などによる外傷は、軽微であれば歯冠部(歯の頭の部分)の破折が多いのですが、力の加わり方が大きかったり、力の加わる方向によっては、歯根部まで破折が進みます。
    太いコアー(土台)は破折の原因
    太いコアー(土台)は根管壁が薄くなり、咬合などの力が加わると歯根破折を起こす原因となる。
    レントゲン写真で白くはっきり見える金属部分が、根の先端方向に伸びています。これが金属コアーです。
    歯根の先端ではなく周囲に黒い影があると破折が疑われます。
  • ヒビは、毎日の咬合により、だんだん深く・大きくなっていく可能性があります。
     マイクロスコープでないと確認できない程度の細かなヒビは、接着剤を流し込む方法で治療します。
     しかし、大きなヒビ、拡大して分裂した歯根などは治療不可能となります。
マイクロスコープにより可及的な治療を行い、極力抜歯は避けたいものです。