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名古屋のマイクロスコープ専門歯科

マイクロスコープを外科手術に応用

診療案内
Diagnosis and treatment guide

外科手術にマイクロスコープを使うと

精密で低侵襲、正確な外科手技が達成されます。

マイクロ用のメス(小さくて鋭利なメス)によるシャープな切開、きれいな歯肉弁の形成、6-0、7-0極細の縫合糸による確実な縫合などです。お口の中ではこのサイズの極細糸(目立たない、審美的)が最適とされます。
創面に対して直角に理想的な縫合をすれば、炎症がほとんど見られず、治りも早く傷跡も残りにくくなります。
マイクロスコープによる外科手術では、一次性治癒(傷跡が残りにくい、早い治癒)を狙い、精度の高い外科手技を実践することができます。
マイクロスコープを使ったお口の外科手術
マイクロスコープを使ったお口の外科手術
  • ※ 一次性治癒とは、鋭い刃物や手術などで切った傷のように創縁が近接しており、細菌感染がなく、すみやかに治癒するものです。一次治癒の達成は、不快感の減少や早期創傷治癒促進など骨再生を得るための重要な要素です。
    密接に縫合することにより局部の血液供給を妨げないようにすれば、栄養や免疫細胞の供給もスムーズです。
切開した創縁を近接させて緊密に縫合することで、細菌感染を防ぎ、速やかに治癒する事を期待します。
創縁は面と面が合うように計算された切開がされていること、骨の裏打ちのある部での切開であること、縫合はテンションのかからないことが大事です。
インストゥルメントもマイクロ専用で精度が高く鋭利なものを使用します。
インプラント埋入、GBR(骨造成)、歯周外科、歯肉移植(審美性向上の為のソフトティッシュマネージメント)、抜歯手術、歯根端切除術(外科的根管治療)、口腔外科分野などで顕微鏡は活躍します。

マイクロスコープによる抜歯

極力マイクロスコープにより歯の保存を試みますが、どうしても保存できなくなった場合の事です。
マイクロスコープによる拡大視野下で行う残根、親知らず、埋伏歯などの難抜歯に応用されます。
破折歯、根屈曲歯などの難しいと言われる抜歯にも適応されます。
特に親知らずでは萌出スペースが不足している等が原因で、歯根が屈曲している場合が多く、アゴの骨に覆われている部分も見受けられます。このような難し抜歯はマイクロスコープを覗きながら歯根と骨との間に慎重に器具を挿入していくことにより、確実な脱臼を起こし、歯を取り出すことができます。
Xツール、ペリオトームなどの特殊な器具を用いて、歯と歯槽骨のわずかな隙間に的確に器具を当てる事により歯根を脱臼させ、体に負担(局所の組織にダメージ)をかけずに抜歯します。
抜歯する歯の極わずかな動き具合を見て(周囲組織に無理な力が加わりません)、インストゥルメントを取り扱う事が出来ます。このわずかな動きは、マイクロスコープを使って確認できるようになりました。
Xツールは精密抜歯に使用
Xツールは、組織へのダメージを最小限にする精密抜歯の際に使います。
先端が鋭利になっており歯根膜への挿入が容易です。そのため、力に頼らない歯牙抜去が可能で、骨組織を可及的に保全した良好な抜歯窩となり、侵襲を最小限に抑えます。マイクロスコープを使うと器具の歯根膜空隙への挿入、弛緩・脱臼操作がより確実に行えます。
上段の Xデズモツール 1 は、鏃状の先端部を歯根膜空隙に挿入し、歯周靭帯の切断や初期的弛緩操作に使用します。下段のXアピカル デズモトームは、マイクロスコープ下で骨奥深くにある残根などの抜歯で活躍します。曲型、直型があり、ケースにより使い分けます。
その後、Xラクサツールで弛緩操作、脱臼操作を行います。

抜歯する歯の診査時や、歯と骨の間のわずかな隙間(位置と挿入角度を合わせる)に器具を挿入して脱臼させる時にマイクロスコープが活躍するのです。(直視できるようにマイクロスコープの角度を調整すると、抜歯インストゥルメントの操作がより楽にできる。直視できない場合には、大きいミラーを用いれば、明るい像となり操作しやすい。)
また、抜歯窩の歯牙の破片や不良肉芽(病的な組織)も取り残しの無いように顕微鏡でチェックできます。ベッキーのプライヤー、ロンジャ—(破骨鉗子)などの器具を用いると操作がしやすいです。
歯根嚢胞(膿の袋)などの病巣も摘出掻爬いたします。病的組織は骨が再生するのを阻害して、抜歯後の出血の原因にもなります。丁寧に除去することが大切です。(重要なポイントとなります。)
そうすることにより、歯槽骨や周囲歯肉への損傷を軽減でき、スムーズな治癒を促します。
さらに、CT撮影による診断が加われば、より確実な抜歯が出来ます。
CTレントゲンにより、残根や埋伏歯の正確な位置と方向、神経管や血管との距離、上顎洞との関係等が明らかになります。

インプラントや歯周外科の骨移植(GBR)

徹底的なデブライトメントと骨表面の上皮をしっかり取り除く処置を終えたら、
GBRに取り掛かります。
 ※ GBRとは、Guided Bone Regeneration の略で、「骨誘導再生療法」のことです。
   インプラントを予定している部位の骨量が不足している時、インプラントの周囲の骨の量を
   増やすための方法です。
移植骨を定着させるには、デコルチケーションという操作が必要です。血液の供給を促し、移植骨との結合を助けます。
  • ※ 不良肉芽組織除去、汚染歯根面の清掃、骨面に残っている上皮の徹底除去により、新鮮面を露出させることが、移植・再生を成功させるポイントです。
    マイクロスコープを使うことにより、この一連の操作の精度が格段に高まります。肉眼では気が付かなかった色調の差や表面形状の違いにより、病的な組織と健康な組織を見分ける精度が格段に違ってくるためです。
    デブライドメントとは、汚染歯根面、不良肉芽組織を除去することにより、沈着した刺激物や変性した組織などを除去することです。
骨は骨髄血から再生が促されます。骨表面の上皮を丁寧に取り除いた後、移植部位の皮質骨に「デコルチケーション」と呼ばれる小孔を開け、骨髄血を出させます。その上を覆うチタンメッシュは固定をしっかりします。もし、固定が十分でないと骨造成が上手くいきません。(動くと骨芽細胞は、繊維芽細胞に変異し、骨化しないのです。)
チタンメッシュは、スクリューやカバースクリューなどで固定します。チタンメッシュで確保された空間に骨が再生されます。
縫合も確実にマイクロスコープ下で行います。減張切開(骨膜へのテンションを避け、粘膜の自由度を増す切開)を十分に行いテンションのかからない縫合をします。
極細のモノフィラメント針つき糸を使用すれば治りも早くなります。
その操作一つひとつを確実にするためにマイクロスコープでチェックしながら行います。

歯肉の移植

上のアゴの裏側(上顎口蓋側)から歯肉を採取して不足する部分に移植(CTG、FGGなど)します。
ダメージを最小限に、細い縫合糸で審美的に目立たないように治療できるのが特徴です。
骨膜縫合などの難易度の高い縫合もマイクロスコープで確実に行います。
口蓋からの移植片の採取は、マイクロスコープを用いてダメージを与えないように迅速に行うことが成功のカギになります。
また、できる限り体に負担をかけないで手術するため、早い治癒が望めます。
切開にはシャープさ(よく切れる新しいメスを使用)、縫合(骨膜縫合、各種マットレス縫合、懸垂縫合など)には確実性が求められます。
縫合のバイトサイズの確認、テンションがかかっていないかの確認にはマイクロスコープを利用します。顕微鏡を使うと無駄な牽引、縫合糸締め付けの過不足がなく、歯肉移植がより確実に行えます。

その他、歯根端切除術、歯周外科手術、インプラント手術などで広く用いられています。